失業保険受給中でも、アルバイトできるってホント?
失業保険を受給しながらアルバイトするには?
自己都合で退職した場合も、倒産などによる会社都合で失業した場合も、雇用保険に加入していた場合は失業保険(失業手当)を受給することができます。
これは、1日も早く再就職できるように支給されるものです。
早く再就職先が決まった場合には、再就職手当や就業手当が支給される場合があります。
失業保険については退職した理由や被保険者期間、年齢によって、失業給付金額や所定給付日数は違うのですが退職前の給料の5割~8割の支給額を見込めます。
所定給付日数は、例えば30歳以上35歳未満の倒産・解雇等による離職者の場合、被保険者期間が5年以上10年未満の人で180日分となります。
そんな失業保険をもらいつつアルバイトもしたいという場合には、注意しなければならないポイントがありますので今回は失業保険の基礎知識と受給期間中のアルバイトについて解説していきたいと思います。
失業保険をもらいたい!ハローワークでの申請手続きを解説!
まず、失業保険を受給するためにはハローワークで求職の申し込みをしなくてはいけません。
ですので、まずは退職後に会社から受け取った離職票や雇用保険被保険者証などの必要書類を持って、自分の住所を管轄するハローワークへ足を運んでください。
受付を済ませたら、まずは求職申込みの手続きへと案内されます。
求職申込みを行ったら、次に離職票などの必要書類を提出し、失業保険の受給手続きへと進みます。
ハローワークでは、提出された書類により受給要件を満たしているかどうか審査し、受給資格の決定をします。
その際、離職理由についても判定するのですが離職理由に間違いがあり異議があるという場合、つまり事業主からの退職勧奨だったのに離職票や離職証明書には自己都合退職と記載されている場合などは、ハローワークに相談しましょう。
ハローワークで事実関係を調査し、離職理由を判断することになります。
受給資格決定後のスケジュールはというと、雇用保険説明会の後、待期期間7日間と自己都合の場合はさらに給付制限期間3ヶ月間を経て4週に1回の失業認定が行われます。
失業認定を受けた日数分の基本手当については、認定日の1週間後くらいに銀行口座へ振り込まれます。
そして就職できたあかつきには、再就職手当や就業促進定着手当、就業手当、常用就職支度手当、高年齢再就職給付金などを申請できる場合もあります。
支給期間が終了した後でも、ハローワークを利用した就職活動は可能ですよ。
なお失業保険の手続き以外にも、失業した場合には国民健康保険や国民年金、住民税などの軽減を受けられる場合がありますので、自分が対象かどうかあわせてチェックしておくといいですね。
扶養家族がいる場合などは特に、失業保険の受給や節約だけでは生活が大変ですので使えるものは何でも使いましょう。
失業保険をもらえる人とは?
では、失業保険の受給要件とは何なのでしょうか?まず、失業状態にあるということが必要ですので就職しようという意思がない場合は基本手当てを受け取ることはできません。
例えば、病気や怪我、妊娠、休養、家事専念などの理由により退職し、就職活動する意思がない場合は失業状態にあるとはいえないということです。
また離職の日以前の2年間に、被保険者期間が通算して1年以上ある人でないと受給することができません(例外:倒産などによる特定受給資格者や特定理由離職者に該当する場合ついては、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合に受給可能)。
つまり失業保険を受給できるのは、就職したいけど仕事が見つからない失業者で、なおかつ1年以上雇用保険の加入期間がある人ということです。
アルバイトを辞めた場合であっても失業保険はもらえるの?
前職が正社員じゃないと、失業保険はもらえないと思い込んでいる人はいませんか?パートタイマーでもアルバイトでも派遣でも、1週間の労働時間が20時間以上で、31日以上労働する見込みがあって、雇用保険の適用事業所に雇用されるのであれば雇用保険の加入条件をクリアしていますので、雇用保険に加入することが出来ます。
そして雇用保険の被保険者として保険料を支払っていたのであれば、受給要件を満たせば、失業保険を受取ることが出来ます。
失業保険を受給しながらアルバイトするなんてできる?
では失業保険を受給しつつ、アルバイトをすることもできるのでしょうか?実は、諸条件を満たせば、アルバイトしながら失業保険を受給することも出来ます。
アルバイトしたら必ず申告!
アルバイトをしたら、その旨をハローワークに申告すれば良いのです。
失業認定申告書に実際にアルバイトした事実を記入して申告します。
きちんと申告して、制限の範囲内でアルバイトをするのであれば失業保険を受給しながら働くことが出来ますよ。
アルバイトだけでなく、内職やお手伝いについても申告の必要があります。
待期期間中や給付制限期間中でもアルバイトしていいの?
しかし失業保険を受給するためには、待期期間や給付制限期間というものがあります。
待期期間というのは、ハローワークで受給資格者であることを確認した日から失業状態にある7日間をいいます。
この7日間については、求職活動をすることもアルバイトをすることもできません。
それから、正当な理由なく自己都合退職をした人の場合は、さらにこの後3ヶ月の給付制限期間というのがくっついています。
給付制限中は、失業保険は支給されません。
しかし、この期間中にも失業認定日があり求職活動しなければいけません。
求職活動は、単なる求人情報の検索だけではダメでハローワークで紹介を受けたり、許可・届出義務のある職業紹介事業者や一般労働者派遣事業者などから紹介を受けたり、職業訓練を受講するなど、具体的な活動実績が必要です。
また、給付制限期間中のアルバイトについてはどうかというと、就職したとみなされない範囲内であれば可能です。
失業保険を受給しながらアルバイトする場合の注意点
ポイント①1日4時間未満であること!
事業主に雇用され、1日の労働時間が4時間以上ある場合は就労したとみなされます。
たとえ4時間未満であったとしても、アルバイトを理由にハローワーク等の紹介にすぐに応じられないとか、求職活動することができないという場合は同様に、就労・就職したとみなされます。
ポイント②週20時間未満であること!
また、契約期間が7日以上の雇用契約があって1週間の所定労働時間が20時間以上ある場合には、就職したとみなされます。
ポイント③労働日数について
なおかつ週4日以上の労働日数がある場合には就職しているものと取り扱われます。
就職したとみなされないためには、短期バイトがよいでしょう。
失業保険を受給しながらアルバイト!稼げるのはいくらまで?
失業保険の基本手当日額とアルバイトの収入を合算した額が、賃金日額(=退職前6カ月間の給与÷180日)の80%を超えない場合には基本手当は減額されることなく全額支給されますので、そこを上限と考えておくのが良いでしょう。
例えば、賃金日額9,884円の人の基本手当日額が4,942円だとすると、1日のアルバイト収入2,900円程度までなら賃金日額の80%を超えずに済みます。
アルバイトした場合の失業保険受給金額の計算
例えば、賃金日額9,884円の人の基本手当日額が4,942円だとして、その日のアルバイト収入額が3,500円だった場合、基本手当日額+アルバイト収入=8,442円となります。
賃金日額9,884円×80%=7,907円ですので、賃金日額の80%を超える金額、8,442円-7,907円=535円が減額され、その日の基本手当日額は4,942円-535円=4,407円ということになります。
アルバイトの収入額によっては給付金が不支給になる日もあるかもしれませんが、給付期間中であれば支給日が先送りされるだけですので心配はいりません。
マイナンバーで失業保険受給中のアルバイトはすぐバレル!
さてマイナンバー制度の運用が開始され、ハローワークによる不正受給の調査が容易になりました。
マイナンバーにより、税務署への税金の納付状況の照会や年金事務所へ加入情報の照会が簡単に出来ますので、無収入と申告していた人に本当は収入があったことなどがすぐにバレてしまいます。
アルバイトは申告して適正に行えばいいことですので、きちんと申告をするということが大切です。
申告しないでアルバイトをして不正受給したらどうなるの?
もし申告しないでアルバイトをし、不正受給した場合には下記のような罰則があります。
・支給停止・・・その日以降の失業給付を受ける権利がなくなる
・返還命令・・・不正受給した支給金額の全額返還
・納付命令・・・不正受給した支給金額の全額返還および不正受給した金額の2倍相当額の納付
不正受給の翌日から延滞金も課せられますし、これらの罰則に従わない場合は財産の差押が行われる場合もあります。
悪質なケースでは、詐欺罪で処罰される可能性も考えられます。
失業保険受給中のアルバイトに関するまとめ
というわけで、失業保険を受給しながらアルバイトをする場合の大事なポイントについて解説しました。
待機期間中はアルバイトすることができませんが、それ以外の期間については制限はあるものの、失業保険を受給しながらアルバイトをすることに問題はありません。
ただし、アルバイトをしたらきちんとその旨を申告するのを忘れないでくださいね。
しっかりポイントを抑えて、アルバイト収入を得ながら適正に失業保険もいただいてしまいましょう。