審査突破が難しい「複数借入」を攻略するコツ

複数借り入れの実現は少々ハードルが高め

基本的に借金はできるだけしない方が賢明です。
不動産(家など)や高額な動産(車など)を購入するためにローンを組む分には仕方がないといえるでしょうが、それ以外の目的(特に生活費や必需品の購入費)で借金をすることは自分の首をきつく締めることになり兼ねません。
そういった状況を選択してしまうと複数の借り入れがある状態、いわゆる「多重債務」に陥るリスクが非常に高まります。
この状態になると、カードローンだけでなく不動産や動産を購入するために利用するローンですらも契約できなくなってしまう可能性が高いです。
具体的にはどのような影響を受けることになるのか、どんなことを意識するべきなのかを知れば多少はリスク回避ができるので、ここでしっかりと覚えておきましょう。

 

 

 

複数借り入れが審査へ及ぼす影響とは?

「複数借り入れはしない方が良い」「複数借り入れは危険」などという知識を持っている人は少なくないでしょうが、具体的にどのような理由でリスクがあるのかを知らなければ意味がありません。
たとえば、複数借り入れが審査に与える影響には次のようなものがあります。

 

・総量規制に引っかかってしまう
・返済能力が低いと判断されてしまう
1件しか借り入れがない状態よりも2件の借り入れがある方が「お金に困っている」という印象を受けやすく、これが3件、4件と増えていけば当然影響も増えていきます。
すると、貸す側は「お金を貸し付けても返してもらえないのではないか」と考えるようになってしまい、最終的にはどこの金融機関からもお金を貸してもらえなくなってしまいます。
特に、消費者金融(アコム、アイフル、プロミスなど)は「総量規制の対象」となっているため、年収の1/3を超える貸し付けをすることはできません(総量規制の例外規定を除く)。
1件しか借り入れがなくとも総量規制に抵触してしまうことももちろんありますが、複数借り入れの方がその可能性は高いです。

 

何の項目が審査に影響を与える?

消費者金融、銀行、信用金庫、クレジットカード会社などさまざまなところが金融機関として融資事業を行っています。
それぞれが融資対象者として妥当だと判断するレベル(審査基準)は一律ではありませんが、一言でいえば「貸したお金を返してもらえるか」を基準に判断しているわけです。

 

・債務(借入)総額
・借り入れ件数
・信用情報機関の情報
これらはいずれも深く関連しているものです。
たとえば、「債務総額」はその人の返済能力を推し量るうえで欠かすことができません。
たとえば、年収100万円の人が10万円の債務を負っている状態と1000万円の人が10万円の債務を負っている状態では、明らかに意味が違います。
前者は年収の1/10が債務ですが、後者は1/100しかありません。
当然この場合は後者の方が返済能力が高いと判断できるわけで、融資を受けられる可能性が高いです。
年収100万円の方は、単純に債務比率(年収に対する債務の割合)が高いという理由のほかにも「普通ならば年収100万円で生活をすることは楽ではないにもかかわらず、債務を負っているということは返済能力が地に落ちている」という印象を与えることも影響があります。
「借り入れ件数」は、少なければ少ないほど高評価です。
これは、ただ単に借り入れ件数が増えれば債務が増えていくことももちろん関係していますが、そうではなく「1社から大きな借り入れができない」という状況が問題です。
総量規制の問題もありますが、1社から大きな借り入れができる信用がないからこそ、悪い条件でも複数から借り入れをしなければいけなくなっている状況が予想できるため審査で評価が下がってしまう可能性があります。

 

 

複数借り入れが悪影響となるローンは何?

基本的には、「複数借り入れ(多重債務)は審査で悪影響を与える」と考えて問題ありません。
しかし、すべての債務がそうなるわけではなく、状況的にほとんど影響を受けないこともあります。
ここでは、以下のローンについて関係性を見ていきましょう。

 

住宅ローン:状況によるので一概にはいえませんが、“抱えている債務がフリーローン(無担保融資)の場合は複数借り入れに含まれない”こともあります。
住む家を購入するために借りるお金ですから、支払い不能に陥った場合でも担保(住宅)で相殺することができます。
また銀行が情報照会する信用情報機関は「全銀協」なので、消費者金融系カードローンなどが加盟しているところ(CICやJICC)の情報を見ないで終わることも普通です。
一応、「CRIN」(クライン)という仕組みで情報を共有しているので見られないわけではありませんが、あまり影響しないこともあります。

 

教育ローン:このローンを借りる目的は、本人もしくは自分の子供が高校や大学などで勉強するための資金です。
明確な使途が決まっていて、なおかつ学業を受けさせるための資金ということで審査難易度は低めです。
他に負っている債務が住宅ローンやマイカーローンなどであれば、むしろ評価を上げる根拠になることもあります。
しかし消費者金融系カードローンなどの場合は評価を下げる根拠になる可能性が高いです。

 

銀行系カードローン:同じ銀行からの借金でも、上で紹介している「目的ローン」とフリーローンでは意味が大きく変わってしまいます。
目的ローンに関しては上記住宅ローン並びに教育ローンを見てもらえば分かりますが、フリーローンの場合は他社からの借り入れが審査を大きく左右します。
一応、銀行系カードローンは「総量規制対象外」ですが、債務が多いと返済能力が低いと見なされてしまいやすく審査で落とされてしまいます。

 

消費者金融系カードローン:銀行系カードローン同様、これもフリーローンなので他社借り入れの影響は大きいです。
また、このローンは総量規制対象なので、その時点で負っている債務総額が年収の1/3に達している場合、返済能力云々の問題ではなく否決されてしまいます。

 

おまとめローン:このローンの対象はフリーローンのため、負っている債務額並びに契約件数が審査に大きな影響を与えます。
ただ多重債務状態を解消することがこのローンの目的なので、同じ状態であれば銀行系または消費者金融系カードローンよりも審査突破の可能性は高いです。

 

「奨学金」はどんな影響を与えるの?

大学進学の資金などを目的で利用する「奨学金」ですが、これも立派な借金です。
ある種、これが初めて経験する借金という人も多いでしょう。
奨学金の目的は「学業のため」であり、生活費のために借りるカードローンとは性質が異なります。
そのため、これを明確な債務として扱う状況は限られます。
たとえば、銀行系や消費者金融系カードローンの審査で関係するものは「フリーローン」だけと言って良いですし、住宅ローンやマイカーローンの場合はあまり影響しないと言って良いでしょう。
しかし、“支払いを遅延または延滞している場合”は話が変わってきます。
奨学金を借りていること自体、その債務を問題視する状況はあまりありません。
しかし利用履歴は信用情報機関に記録、管理されているため審査を行うに当たって金融機関は確認することができます。
もしそこに支払い遅延や延滞の履歴が多く残っていた場合には「ちゃんと支払いをしない人」と評価されてしまい、審査でマイナスに働きます。

 

 

複数借り入れをしていても審査を突破するポイント

大前提として、「複数借入の状態では審査を突破することが難しくなる」ということをよく覚えておくことが必要です。
また、この状態で必然性のある借金以外を検討することは、状況を大きく悪化させかねないことも理解しなければいけません。
要は、“他社借入件数が多い場合は完済するまで借金をしない方が良い”ということです。
ただ、どうしてもその状態で新たな借り入れをしなければいけないのであれば、以下の点を意識しましょう。

 

1.申し込み時の申告内容は、事実をありのままに書きましょう。
2.嘘をついた場合、それだけで不誠実な人物とみなされて審査が終わってしまいます。
3.特に必要な金額と使途は、具体的かつ明確に申告することが大切です。
4.また、電話などで直接受け答えをする場合は、横柄な態度をとらないように気を付けましょう。

 

 

「おまとめローン」を契約するポイント

おまとめローンの目的は、「抱えている多重債務を解消して返済の負担を軽減するため」です。
基本的にはより低い金利のプランで借り換えをすることになり、これによって債務者は負担が軽減できるわけです。
しかし、債権者にとっては得られる利益が減ることになってしまいます。
ただ「返済不能に陥るくらいならば、金利を下げてでも完済してもらった方が良い」とも考えられることから、そういうスタンスのおまとめローン取り扱い業者を選択することが1つのコツです。
また、それと合わせて「完済までの具体的な返済計画」を立てておくと、一層期待が高まります。
おまとめローンはサービスではありませんから、完済の見込みがない相手とは契約しません。
しかし状況がどれだけ酷くとも完済プランが実現性のあるものならば、それを信じて契約してもらえる可能性があります。

 

 

複数借り入れは「真摯な対応」が可能性を引き寄せる

複数借り入れを期待する場合は、兎にも角にも「真摯な対応」を心掛けることが大切です。
自身の状況を適切に把握し、その打開策を提案できるようにしておく。
事実をありのままに正直な考えを伝えて判断を仰ぐ。
低金利で借り換え出来るおまとめローンを検討して、借り入れ件数並びに債務総額を減少させておくことなどを意識しておくとそれだけで審査通過率がアップします。

 

 

何件までなら複数借り入れできる?

人によって契約できる件数は違います。
それこそ、年収が1,000万円の人と年収200万円の人では状況がまったく違います。
総量規制対象カードローンならば、前者は約300万円の借り入れまで可能ですが、後者は30万円しか借りることができません。
消費者金融系カードローンを例に挙げると、初回契約時に与えられる限度額はおおむね50万円以下です。
仮に50万円を基準にするとして、前者は6社まで可能ですが後者は1社ですら限度額が超えてしまっています。
ただ、仮に年収1,000万円の人だからといっても6件の借り入れをすることはできないと考えた方が賢明です。
年収を問わず、せいぜい3~4件程度が限界値だと思っておきましょう。

 

 

家族が審査に影響を与えることもある?

カードローン審査を検討している人の中には、「家族に借金があるから落とされるかもしれない」と不安を感じる人もいます。
確かに、そういった状況を描いたドラマや漫画などもあるのですが利用するローンによって変わります。
無担保、保証人なしで借りられるフリーローンの場合であれば、家族に借金をしている人がいても特に問題はありません。
希望者本人の返済能力(年収など)と信用能力(過去のローン履歴など)から融資可否を判断し、第三者の情報は一切関係ありません。
しかし保証人が必要なローンを利用する場合には、保証人となる人の返済能力や信用能力も審査で評価される対象になります。
住宅ローンやマイカーローンなどを組む際に保証人が必要になったときには、その人の状況をよく確認しましょう。

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